東洋眼虫

2024年11月、犬の眼に寄生する、近年あまり見られない寄生虫の感染例がありましたのでご紹介します。

東洋眼虫はショウジョウバエ科のメマトイという虫が運んできます。このメマトイは動物の涙を吸う性質があり、眼に寄生する東洋眼虫を他の動物から他の動物へ運んでいきます。犬、猫、人、野生動物ではタヌキ、アライグマ、ハクビシンが感染するようです。当院のある武蔵村山市は、狭山湖の近くにあり、その周辺にはタヌキやハクビシンなど多数の野生動物が生息します。東京都でありながら自然豊かな環境にあるため、10年前くらいまでは時折感染例がありましたが、近年は感染例がありませんでした。今年の異常な暑さと関連性があるのかもしれません。メマトイという小さな昆虫が運んできますので、比較的中大型犬の感染例が多いです。猫も感染するようですが、当院ではまだ見たことはありません。

今回の感染した犬は体重17kgの中型犬です。お住まいは新青梅街道の北側、狭山湖よりとなります。目ヤニがで始めたとこのことで来院されましたが、眼検査と目ヤニの検査で東洋眼虫が確認されました。後日全身麻酔下で眼球洗浄、左右眼球から合計14匹の眼虫を取り除きました。

犬の良くある症状としては、目ヤニ、結膜炎、角膜炎、眼の痛みや痒みなどが見られます。

この後に、目ヤニの顕微鏡画像、麻酔下の眼虫摘出動画、摘出後の眼虫画像を掲載します。苦手な方はご注意ください。





目ヤニの顕微鏡画像です。渦のようになっているのが眼虫の幼虫と思われます

眼球上の眼虫です

摘出した眼虫です

東洋眼虫.mp4